防災力アップをテーマにお届けしています。①では個人の防災力アップ、つまりご家庭で安心感をもって日々暮らしていけるような5つの方法と、お隣ご近所との日頃のお付き合いが「安心」をもたらし、なおかつ「安全」の第一歩であることをお伝えしました。
ご近所さんとの日頃のお付き合いが「安全」の第一歩だとすると、つぎなる第二歩目は何でしょうか。今回のテーマは②住まいの安全確保について考えてみます。まずはご自分の住まいの安全、お隣・ご近所の安全、町の安全へ・・・と、視点を外へ広げていきましょう。
家具固定と逃げ道、動線の確保!
阪神淡路大震災から12年たった2007年。私は兵庫県にある「人と防災未来センター」の展示物リニューアルのためのスタッフとして、被災者100人から体験談を収集しました。
頭上注意!足元注意!まずは寝床のチェックを。
被災された方の体験談から、家具固定の大事さを実感。なぜなら重たいタンスや書棚が寝ている自分のすぐ横に、バタン!と倒れてきたけれども命はなんとか助かった、というお話をほとんどの方から聞いたからです。
ベッドの頭側にある板が、倒れてきた家具から頭を守ってくれ命をとりとめた、という方の話を聞き思ったのは「とりあえず、頭を守れば命は助かる」ということ。
お宅の各お部屋の家具は大丈夫でしょうか。地震対策はできていますか?一度に完璧は無理なので、目についた家具から「地震でゆれたらどうなるか」想像してみて対策をひとつづつ進めましょう!ホームセンターの防災コーナーには家具固定の突っ張り棒やシートなど多数あります。購入時には設置するサイズを測っていくと失敗しませんよ。
無防備な状態ですごすことが多い寝室について考えてみましょう。背の高い家具はありませんか?寝床の頭側に重たいものはありませんか。洋服ダンス、書棚などは家具固定。上の段には重たいものを置かないように。壁面に絵画を飾っている方、エアコンの真下で寝ている方、今晩から頭の位置を変えましょう!
また注意すべきは、重たいものに続きガラスなどの割れるもの。日本の文化として玄関で靴を脱ぎ、寝床には裸足で入りますよね。地震がきたら、ガラスは割れます。割れたガラスの上を素足では歩けません。歩いたら動けなくなります。足のケガは致命傷です。就寝時の頭上と足元、特に注意してくださいね!
家の中でも足を守るスリッパを!
ご家族それぞれに、スリッパを準備してください。お子様にも、必ず。
玄関に大きな鏡が置いてあるお宅もおおいのではないでしょうか。うちにもあります。想像してみると恐ろしい光景が浮かびます。玄関に出しっぱなしの普段の靴の上にガラスの破片がかかってしまい、外に逃げるにも靴が履けない、ということになります。
そんな時に役立つのは、厚底のスリッパ!災害時には家の中から外へそのまま逃げられるようにベッドサイドに厚底スリッパを置いておきましょう。寝室や廊下がガラスや瓦礫だらけになっても玄関までそれを履いて逃げることができます。
災害時の逃げ道、動線確保
想像してみてくださいね。寝ているときに地震発生、頭をまもり、揺れがおさまったら厚底スリッパを履いて部屋の外へ出ます。が、廊下に何か大きなものや段ボール箱など置きっぱなしにはなっていないでしょうか。最悪の場合、廊下に置いているものが邪魔をして扉が開けられないということにもなりかねません!
平常時は、ちょこっと置くのに便利な廊下や階段ですが、災害時にはその余計な荷物のためにケガをしたり逃げ遅れたりすることもあります。なので、今日から少しづつ、廊下、階段からものを減らしていきましょう!
・・・という私もお片付けは苦手なのです。けれどもこのブログを始めたのと同時に家のお片付けにも着手しています。ぜひ、読者のあなたも私と共に、安心、安全で快適な住みよい家を手に入れましょう!
まとめ 片付けは家内安全の第一歩。
今回は住まいの安全確保について、室内に視点をおいて考えてみました。
- すごす時間の多い部屋にある家具固定をひとつづつ進めましょう!
- 無防備な時間帯をすごす寝室の家具固定、寝床の頭の位置を考えましょう
- 頭だけでなく、足元の安全も確保。厚底スリッパを履く習慣を!
- 逃げ道となる廊下、階段、扉周辺に余計なものを置かないこと!
次回は住まいの安全確保その2、まち(自治会)レベルで考えてみます。