ブログ「日々防災」をお読みいただいている皆さま。このブログは六甲山系の山の麓に住んでいる、ごくごく一般的な家庭(小学生2人を育てている4人家族)でどんな防災対策をしているか、実践を交えてお伝えするものです。
不安を安心へ導く防災5つのステップ
災害がいつどこでで自分に振りかかるか予知できればいいのですが・・・残念ですが普通の人には無理ですよね。(サイキッカーやエスパーならできるかも?)でも、不安な毎日を過ごすのはいや。できるだけ安心して生活したいものです。まずは、自分の安心感を得るためにできることを5つ紹介します。
- まず、自分にとって起こりうる災害を知ること!(自分の住まいは何に弱い?水害による浸水か、土砂崩れか、家屋倒壊か、地震か竜巻か…)
- そして、そんな状況になったとき自分はどう行動するかを想像してみる!(避難所へ行くか?家に滞在する?/会社から帰宅する?社内で待機?)
- 住まいの状態をチェックする!(各部屋の安全確認。危険なものはない?家具固定されているか、扉をふさぐ不要なものはないか…)
- 住まいの外周に危険はないか知っておく!(ハザードマップで確認する、近隣住民から過去の災害について聞く、など)
- 自分に必要な防災グッズを考え試してみる!(いつも持ち歩くもの/一次避難の防災グッズ「1次持ち出し品」/避難所でしばらく滞在する場合の「2次持ち出し品」/家庭内での避難に備える「防災備蓄品」)
この5つのステップを日々の暮らしの中に取り入れていくと、個人レベルでの防災力は上がっていきます。災害は他人ごとではなく、自分事(じぶんごと)。これをいつも忘れないで一緒に日々防災していきましょう。
安心から安全へ。災害時の安全確保とは?
個人レベルで防災力をつければある程度は「安心」です。けれども「安全」は得られるでしょうか。「家内安全」という言葉は古くから伝えられているように、もちろん、各家庭でできる安全確保もあります。しかしそれだけで安全だと言い切れませんよね。災害時の「安全」はどうすれば確保できるでしょうか。
家内安全と同じく校内安全と職場安全を進めましょう!
家、学校、職場などの室内で突然、地震が起きたらどうしますか?ここで基本を復習しておきましょう。
- テレビやスマホから「緊急地震速報」が鳴り響いたら、ドアを開け逃げ道確保。
- そして火の元確認。速やかに消す。
- 頑丈な机などの下にもぐり、頭を守る姿勢をとる。
・・・、という風に教わっていると思います。けれどもこれができる人とできない人がいます。地震を経験または疑似体験している人はできるかもしれませんが実際は、経験者でも難しいことでしょう。
なので、一度でもいいので状況を設定して練習しておくのが大切。防災訓練が大事なのはシミュレーション(練習)を行うことでいざという時に体が動きやすいからです。
そして、室内ではなく、廊下にいる場合やトイレにいる場合、お風呂に居るときに地震がきたら、どうしますか?ぜひ、日ごろから考えておきましょう。
家外での危険にも防災の視点を!
令和元年の秋は、台風被害に始まり停電や浸水、土砂災害・・・と、各種さまざまな災害報道がありました。自然災害だけではなく人災も多く起きています。台風15号の千葉のゴルフ場鉄塔の倒壊や、首里城火災、工事現場での鉄パイプ落下事故など、屋外での危険にも防災の目を向けていく必要があります。
小学校へ登校の時間帯に起きた、大阪北部地震では、ブロック塀が倒壊し女児が下敷きになりました。同じ年頃の子供を育てている母親としてこころの痛む出来事でした。そして、すぐに我が子たちの通学路をチェックしました。
危険なブロック塀はないか、側溝は安全か、交通の状況はどうだろうか・・・
防災とは、地震や津波や豪雨だけではなく、より日常的なものについても考えるべきです。そういう視点がより「安全」生活環境をつくることにつながります。あなたも、日ごろ歩いている道を点検してみてください。
防災力アップに欠かせないお隣ご近所との連携
阪神淡路大震災のとき私は・・・
阪神淡路大震災に見舞われた1995年の1月、私は大学の合格発表があった直後の17日を実家のある芦屋市で被災しました。
普段は近所づきあいの少ない地域でしたが、地震後はお隣のおじさまとお話をする機会ができました。給水はどうしているのか、湧き水があるから行ってみて、など生活情報をやりとりすることができ、ずいぶんと安心できました。
日頃からのご近所づきあいは命を守ります。阪神淡路大震災の被災者のうち、消防の救出を待って命が助かったのは少数派。実際はお隣ご近所同士が声を掛け合って瓦礫(がれき)を取り除き、多くの命が助けられました。
平常時からお隣ご近所と話をしておく!
朝のゴミ出しのとき、玄関先を掃除するとき、回覧板をまわすとき、そのような時に、日ごろの天候のことや日々の体調のことなんかをしておくと、いざというときに役立ちます。
私の家は目の前に小川が流れ、鳥がさえずる環境のとても良好なところですが、悪天候には気をつけなくてはならない場所「土砂災害警戒区域」です。
私の引っ越してくる前の近隣の状況や、この小川に氾濫した履歴はあるのかなどはご近所さんから情報を得ました。そして、最近の異常な雨の量や降り方について日頃から話題にしています。
我が家がこの自治会で一番に避難することも近所の皆さんは知っていて、お隣さんからは「今度、避難するときは声かけて下さいね」とお願いされています。また「あそこのおばあちゃん、最近見かけないけど大丈夫かしら、足が痛いって言ってたけど・・・」と、一人暮らしのおばあちゃんについても話題にします。そんな風にご近所さんと気軽に声を掛け合って、お天気や体調について話をしておくと、いざという時に身を守ることにつながります。
「安全」の第一歩、それは「あいさつ」!
お隣ご近所さんと、日ごろから挨拶をしたり、話をしたり・・・。皆さんはされていますか?お隣さんの顔も知らない、なんてことはないでしょうか。親世代から教えられた暮らしの知恵、「あいさつをする」ということは私たち世代も実行し是非、子ども達の生きる次世代へ伝えていきたいものです。
令和元年10月の災害から思うこと
10月は災害が続き、気持ちが滅入る日が多かったように思います。そこへきて、今朝テレビに映し出される光景に言葉がありませんでした。
沖縄の首里城の火災。
原因は未だ解明されていませんし、死者やけが人は幸いありませんでしたが、誇るべき世界遺産が数時間のうちに焼け落ちたことに、日本中の人々の心にもやもやとしたなんとも言えない感情がわき、また大火を目の前になすすべもない やるせなさ、落胆が テレビ画面に映し出された 近隣住民の方々の表情からうかがい知れました。
こういった災害は、これまで日本の歴史をたどっていっても繰り返されています。大自然の仕組みの中でわたしたちは生きている、というごく当たり前のことを忘れたころに思い起こさせるのが災害です。水、火、大地、天、風、雨、雪・・・当たり前にある大自然の営みですが、現代を生きるわたしたちは便利に利用することにばかり気をとられ、自然そのものが持っている脅威的な力については残念ながら忘れてしまいがちです。そして、災害にあってまた気づかされるのです。忘れて、気づき、また忘れて、気づき・・・この繰り返しです。
忘れて、気づき、そして忘れない仕組みをつくり、次世代へ伝える。
ブログ「日々防災」の目指すものはそこにあります。 ぜひ皆さんも考えてみてください。災害を忘れないで知恵を伝える方法を。