今はなき「ひと未来館」で語るなら⑦震災経験に「共感」できる?

この頃毎日テレビで災害特集が放送されています。震災経験のある人は自分はあの時どうしていたかを振り返ることで思い出すことができますが、震災経験のない人(子ども達)は、被災地の様子や当時人々が避難していた映像を観ても「共感」はできません。

あの阪神高速道路が倒れて観光バスが宙づりになっている映像をみても、うちの子ども達は「うわ~映画みたいだね~」と、そこに恐怖を感じないようです。そこで、力を込めて地震の怖さを言葉で説明するんですが・・・「ふ~ん」と言って終わり。うちの子にとって震災はリアリティのない非日常の出来事でありママ(私)が経験した過去の出来事でしかないようです。

前回お話した悲しい出来事への「共感」があれば、「ママ、無事でよかったね、大変だったんだね」という言葉がきけただろうに。我が子に伝えきれないのがもどかしいです。

一方、「共感」の気持ちが自然にはたらいて行動に移せる人もいます。若い世代(おそらく災害を経験していない人)が災害支援ボランティアとして活動している姿も放送されています。大学の授業の単位をボランティア活動をすることで取得できる大学もあるそう。また、兵庫県がボランティア団体に対し災害被災地への交通費などを援助するという制度も始まり、それを活用し活動する若者もいるとのこと。

そういえば、私の人生を振り返って考えてみると阪神淡路大震災の半年前、つまり災害経験がまだない時に災害支援ボランティアとしてフィリピンに行ったのです。あの時の気持ちを思い出してみると・・・

“いてもたってもいられない、自分も役立ちたい、なにかできることはないか”

あの時の突き上げられるような気持ちは、ひとに備わった本能のようなものだったと思います。

老若男女(ろうにゃくなんにょ)皆に備わっている「悲しみへの共感」。それを呼び起こせるかどうか。災害経験者(私)が未経験者(次世代)に対して、お説教のように上から目線で教え込むようなことではなく、人の心にすでに備わっている「悲しみへの共感」を呼び覚ますような語りかけや活動を心がけたいものです。

災害への興味関心を持ってもらうには“危機感・不安感を与えなくては”、という意見もあるでしょう。再現ドラマ、シミュレーション映像、実際の映像・・・それらを見せて不安がらせる、という方法もあります。

けれども、そのような映像で疑似体験させるだけで災害への「共感」は生まれるでしょうか。どうすれば「悲しみへの共感」は呼び起こされるのでしょうか。

明日1.17に久しぶりに兵庫県立人と防災未来センターへ行ってきます。追悼式の後に再現映像、ジオラマ、展示をじっくりと見ながら考えてこようと思っています。

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