ゼロからの自主防災会①住民の避難行動を考える

私の住まいは兵庫県の六甲山系の山の麓にあります。ハザードマップ上では土砂災害警戒区域に指定されていて、これまで大雨被害がありそうなときに何度か避難所を利用しました。

テレビでも早めの避難が呼び掛けられるような豪雨。不安な気持ちも高まり日暮れ前に避難所へ向かいました。しかし、利用者は我が家のみ・・・(あれれ??)

住民のみなさん、怖くないのでしょうか。避難所へ行く人と行かない人について今回は考えます。

避難所に行く人、行かない人の違いは?

私は阪神・淡路大震災の教訓を伝える「人と防災未来センター」でお仕事をさせていただいたりしたことから、防災士の資格を持つことになりました。

こんな私だから、空を見て危ないと察知し避難所へためらいなく行けるのかもしれません。防災の仕事をしていなかったら、速やかに避難するなんていうことはできにくいのかもしれません。子ども二人を連れて避難所へ行くなんて面倒くさくて、心の中で “うちに限って大丈夫”ってつぶやいているような気がします。実際のところ、平成30年7月の西日本豪雨の時に避難所へ行きましたが利用していたのは我が家とお向かいに住む老夫婦の2世帯のみ。いつもこの2世帯です。

「正常性バイアス」が逃げ遅れの原因

“わたしは大丈夫、うちは安全” という心の働きを「正常性バイアス」といいます。心の平静を保つための心理的な働きです。大多数の住民がこれにより避難所ではなく家にとどまることを選択しているのでしょう。

ひとは日常生活において、さまざまなストレスにさらされています。その度にストレスを受けとめていては心が病んでしまいますよね。「正常性バイアス」はストレスを軽減するためのひとに備わった防衛本能とも言えます。

しかし、普段の生活に役立つ心理的な本能が、非常時には逃げ遅れの大きな要因となっているのです。“うちに限って大丈夫”なことは、もはやありません!!ここ数年の雨の降り方に恐怖を感じませんか?突然、雨量が多くなってバケツをひっくり返したような雨になります。そうなる前に、テレビで情報をキャッチして避難する準備をしましょう。

あなたは避難する派?しない派?

地震災害の場合「在宅避難」がすすめられるこの頃です。避難所へ行くよりも家で安全を確保するほうがいい場合もあります。大地震が起きたとき避難する人が多く避難所では収容しきれない場合もあるといいます。

豪雨災害の場合はどうでしょうか。雨量や雨雲の動きなどあらかじめ危険な状況が予知されているので避難する方が安全性は高まります。また、雨は時間と共に危険性が増すので避難する判断が早ければ早いほどいいのです。

“ひょっとしたら、この地域に桁外れの雨量をもたらす雨雲がとどまるかもしれない” そう考えて、雨量の少ない明るいうちに避難所へ向かう。それは命を危険から守る行動です。“空振りに終わってもいいじゃない、防災訓練の良い機会だ”という軽い気持ちで避難所へ向かいましょう。

ここ数年の雨は脅威です。恐ろしい猛獣のような雨に脅えて過ごさず、安全地帯で命を守りたいものです。

もうひとつの原因は「多数派同調バイアス」

先日テレビで興味深い映像を見ました。抜き打ちの避難訓練がある小学校で行われたそうで、休み時間に校庭であそんでいるときに緊急避難を知らせるサイレンが鳴ったら小学生達はどんな行動をするか実験してみたというものです。

多数の児童は校庭で遊んでいました。そこへサイレンが鳴ります。すると、気付いた一人の児童が慌てて校舎の中に駆け込み、その様子を見た大多数が校舎へ猛ダッシュしていました。

広くて上から何も落ちてくるものがない校庭に居るにもかかわらず校舎へ駆け込んだのです。

その行動は日ごろの避難訓練が “揺れたら机の下に入り、身をかがめる”という形ばかりのものになっており、意味のないものになっているのだと解説されていました。

避難訓練が形だけのものになっているということも問題ですが、ある児童の行動につられて多数の児童が校舎へ駆け込み、結果ほとんどの児童が校舎へ向かってダッシュするという状態も問題です。これが「多数派(集団)同調バイアス」と呼ばれる心理現象です。

この「多数派同調バイアス」について、こんな実験も行われたそうです。学生寮で非常ベルを鳴らしたところ、一人部屋の人はすぐに外へ出て避難するのに比べ、大部屋の人は行動が鈍く避難が遅れるという結果が出たそうです。

大部屋の人は、“みんなと一緒だから避難しなくても大丈夫だ” と思えたのでしょう。これを「部屋」ではなく「地域」に置き換えて考えるとどうでしょうか。テレビなどで「大雨特別警報」が発表されたとしても、“お隣やお向かいさんが避難していないから大丈夫だろう” という考えになりがちです。

2018年7月の西日本豪雨災害で“避難を決意したきっかけ”をNHKがアンケート調査したところ、「テレビ・ラジオ」をきっかけに避難した人は4.5%だったそうです。最も多かったのは「周辺環境の悪化」をきっかけに避難した33.5%の人でした。

東日本大震災においても津波警報が出ていても避難しなかったせいで逃げ遅れた人々が多数います。自ら津波を目視してから慌てて避難した人が命を守ることができませんでした。

では、災害時にどう行動する?

  • 災害はもはや、他人事ではなく自分事である、と自覚すること。
  • テレビなどで「大雨特別警報」などが発表されるのを待たず避難所へいく準備を行うこと。
  • 最寄りの避難所が開設されたら、明るいうちに行くこと。
  • お隣やご近所にも声をかけること。
  • 被害なく過ぎ去るって100点満点。損したと思わないこと!
  • 実際に避難してみることが次なる大災害への備えとなるので予行練習であり、自分の防災力を高めていける良い機会だと思うこと!!

ぜひ、一度は避難所を利用してみましょう! 何事もなく過ごせるのが満点。泊まり込みで見張りをしてくださる職員さんに感謝。菓子パンやお茶の差し入れに感謝。

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