ゼロからの自主防災会②避難所利用のススメ

前回①住民の避難行動を考える、では避難所をもっと気軽に利用してみることが大災害の防災訓練になり得ることをお伝えしました。
今回は②避難所を利用してみて気が付いたことなどを私の経験からお伝えしていこうと思います。

避難所を利用してみて気付いたこと

避難所を利用する状況には、2パターン考えられると思います。
ひとつには、局地的な災害での利用、つまり避難者はごく限られ滞在も数日間というもの。そしてふたつには地域全体が被災するような大災害、住民の多数が避難所を利用し長期間滞在するものです。

まずは、ひとつめ。局地的な災害について特にここH自治会で最も被害が起きそうな「土砂災害」「豪雨災害」について考えてみます。

ここH自治会は、六甲山系山の山を切り開きできたニュータウンで、まちができて45年ほどたちます。高齢化も進んでいますが新たに家を建てたりリノベーションして住み始める若年層も徐々に増えてきています。私たち家族は8年前に引っ越してきました。

私の家の裏には手入れの行き届く里山ともいえるような山があり、土日や早朝ハイキングに訪れる人が絶えません。小川のせせらぎがいつもきこえてくる、そんな自然環境に魅せられて引っ越してきたのですが・・・「土砂災害警戒地域」だと知ったのは住み始めてからでした。

この小川は山をVの字に流れてきます。この山が豪雨時に地盤がゆるみ崩れたら谷筋に沿って土石流が我が家を直撃することになりそうです。

被害を想定される人は、我が家を含め川沿いの十数件でしょうか。ごく限られているので、避難者はそう多くはなさそうです。これまでに私たち家族は数回、避難所を利用しました。いつも市の職員が避難所の鍵をあけ開設していました。

避難所に入ると・・・

入口で、名簿に家族全員の氏名を記入し、避難所である体育館の中に入ります。
過ごしやすそうな場所を確保し、持参したブルーシートを敷きます。
職員さんから体育マットを利用してもいいと聞き、体育マットを2枚ほど連ねて、スペースを確保しました。

毛布がひとり1枚づつ配られ、そこでごろ寝をするわけですが、
体育マットは、それなりに臭いがしました。
直接寝転ぶのは気になるので、家から持参したをブランケットを敷き、バスタオルをくるくる丸めて枕にしてみました。

家族4人が全員、そんな感じで一晩寝るわけです。豪雨の激しさは体育館にいてもわかるくらいでした。体育館の屋根を雨がたたきつける音が一晩中聞こえていました。こんな激しい雨の夜、山沿いにある自宅にいたら眠れなかっただろうと思います。

避難所を見守る担当の職員さんは2人。交代で寝ていらっしゃったようですが、大変なお仕事です。夜中に避難者が来ることもあるので必ず一人は起きていなくてはいけません。もしも大規模災害だったら・・・避難所に担当職員さんが来てくれるとは限りません。避難者同士が話し合って「居場所」を決めていかなくてはならないわけです。

「居場所決め」から始まる避難所滞在

避難所でまず居場所を決めますが、大規模災害の場合そこにルールがないと問題が発生するでしょう。入所した順番にいい場所を確保でき、後から来た人がつらい思いをすると問題が起きます。後から来た人が高齢者や乳幼児を連れたお母さんだったら・・・。みなさんはルールがなくても場所を譲り合えるでしょうか。

滞在が長くなるような大規模災害ならば、必ずルールは必要です。持病のある高齢者や妊婦、乳幼児連れの世帯には特別な配慮が要ります。暑さや寒さへの配慮、高齢者には段ボールベッド、妊婦や乳幼児連れの女性にはパーテーションの利用が望まれます。あらかじめ決められたルールがあれば問題になりません。

犬猫などのペットの扱いをどうするか

H自治会の避難所運営で想定される問題として考えられるのが、ペットをどうするかです。大型犬、小型犬ともに犬を家族として扱う家庭が多いので、体育館にペットを入れることについては慎重にならなくてはなりません。ペットが家族だという人もいれば、犬猫アレルギーの人もいるだろうし、生理的に受け入れられない人もいると思われます。

ここにもルールが必要となります。大型犬を連れてくる避難者には別室がいるかもしれません。犬だけ外につないでおく、ということは考えにくいですよね。犬も豪雨は怖いはず。避難所は命あるものすべてにとっての安全地帯であるべきでしょう。

小型犬や猫を連れてきた避難者は、ペットゾーン内で居場所を確保してもらうのもいいかもしれませんね。いずれにせよ、鳴き声と排せつ処理については飼い主が責任をもって対処すべきでしょう。

まとめ

ゼロからの自主防災会②避難所利用のススメいかがでしたか? 避難所を実際に利用してみると様々な問題点が浮かんできます。

  • 避難所を開設する人(市の職員)がいない場合、誰が開錠し開設するのか
  • どうやって避難者の「場所決め」をするか
  • 連れてきたペットをどうするか
  • そのためには「ルール」を決めておくこと

ぜひ、あなたも避難所を利用してみましょう。避難訓練の良い機会。面倒がらずに行うと、大災害のときに慌てませんよ!

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