いま、「防災」「減災」という言葉が飛び交っています。防災という言葉を聴かない日は無いほど日本中の人々が防災をテーマに語り合っています。
では、あらためて問いますが、防いだり減らしたりする「災い」にはどのようなものがあるでしょうか。
「災い」のさまざまな種類とレベル
「災」という漢字をみると、うえの部分’くくく’は水害を表し、したの部分は火事を表しています。水害と火事。けれども現代の災害には様々なものがありますよね。
ちょっと、考えてみてください・・・あなたにとっての「災い」ってどんなのでしょう。紙に書きだしてみましょう。
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いかがでしょう。
地震、津波、豪雨・・・いろいろと思い浮かんだのではないですか?
災害は「天災(自然災害)」と「人災(人的災害)」に分けられます。
そしてそれを規模により分けていくと以下のような分類になります。
① 地球レベル 火山噴火による都市消滅、気候変動、地球温暖化など
② 国家レベル 東日本大震災レベルの地震(東南海、南海地震が予測)
③ 県レベル 兵庫県南部地震、新潟地震、熊本地震、北海道胆振東部地震
④ 自治体レベル 水害、土砂災害、竜巻被害、豪雨災害など
⑤ 組織レベル 工場ガス爆発、店舗火災、列車事故、原子力発電所事故
⑥ 個人レベル 家屋損壊、浸水、火災、自動車事故、遭難、水難事故、詐欺被害、パワハラ、いじめ、病・・・
もちろん、これ以外にもたくさんありますよね。
「いじめ」や「病」。私は、これらも「災い」と捉えています。
「日々BOUSAI」ではこれら個人的な災いも含め考えています。
天災と人災
一般的に言えば、災害は、人間(社会)と自然とが重なるところで起きるもの。
太平洋上で発生した台風はまだ災いをおこしていません。人の暮らしに影響を及ぼしてはじめて「災害」といえます。関東地方に甚大な被害をもたらした令和元年10月の台風19号。憎くて憎くて空を見上げても、犯人はもうどこかに消えてなくなってしまいました。台風はどこふく風か? 無罪です。
災いをもたらす台風ですが、視点を変えると地上の生命にとって欠かせないもの。地球上での台風の役割は大量の海水を真水に変えて陸上に運んでくれる給水運搬装置のような働きをし、地上の生き物の命を育んでいます。
「防災」をとりあげるにあたり、もはや人災についても考慮にいれておかなくてはいけません。1986年のチェルノブイリ原発事故は、地球上のすべての生命を脅かす大災害でした。それと同じく世界各地で起きる争いごと(戦争とそれに伴う飢餓)、そして今や学校や会社で起きている「いじめ」も個人レベルでの災害です。命を脅かす危険のある社会のひずみや人間関係のストレスからくる心の病も災害といえるかもしれません。
私は自然災害だけではなく、人災や個人レベルのこうした命の危機も「災い」ととらえ、それらを日々の生活でどのように防ぐことができるのかを考えてきました。私がこのブログ「日々防災」を運営するうえで大切に思っていることです。
あなたにとっての「防災」は?
あなたにとっての「災い」はなんでしょう。そして、それをどう予防しますか。 私が「いじめ」「病気」を人災ととらえ、それを防ぎたい、と考えるように、あなたはなにを防ぎますか?
防災訓練、防災グッズ、非常持ち出し袋、避難所・・・なんだか、自分には関係ないような、いつ起きるかわからないものに対する備えのような、そんな言葉がならびます。
「防災」がいつまで経っても身近に感じられないのは、そのせいでは?
役所の防災担当者がいうことを言われるままに行ったり隣町のノウハウをそのまま真似をしたり、また、高額な防災用品セットを購入することが、あなたの命を災害から守る「防災」に役立つのでしょうか。
テレビでは防災専門家たちが他の地域で起きてしまった災害を分析しています。それを他人事ではなく、自分事(じぶんごと)として置き換えてみることが大事です。あわてて買ってきた防災用品をそのまま置いておくのではなく、袋から出して実際に使ってみる作業が必要です。
「日々防災」のすすめ
私にとっての防災と、あなたが考える防災の中身は全く違います。住んでいる地域も違えば年齢も、家族構成も、生活スタイルも全く違っているからです。なので、私の提案することを必ず自分に置き換えて考えてみてください。自分だったらどうだろうか、とイメージすること。それが、あなたの防災力を高めます。
防災士である私が提案する「日々防災」は防災を日常に取り戻す作業です。古の人々が天を仰ぎ明日の天気を知るように、台風が余計な災いを起こさないよう祈ったり、隣り近所の人と秋の実りを分かち合う、当たり前にあった日本人の暮らしぶりをあらためて取り入れます。
「自分の命をまもるんだ!」という心構えを、いまいちど持ち直し、私と一緒に防災力アップに取り組んでみませんか?
明日から一日ひとつ。防災とは言わない暮らしの知恵を積み重ねていきましょう。